【春のはじまり、古代をたずねて】
— 石舞台古墳とキトラ古墳をめぐる奈良の旅 —
先日、主人と奈良へ小さな旅に出かけました。
目的地は、飛鳥にある石舞台古墳とキトラ古墳。
春のはじまりを感じさせるやわらかな空気の中、歴史の静けさに包まれるひとときを過ごしてきました。
石舞台古墳に着くと、そこには曇り空の下にたたずむ巨大な石室。
まだ咲きかけの桜が、ひっそりと彩りを添えていました。
青空とはまた違う、しっとりとした雰囲気が、古墳の重厚さと不思議とよく合っていて、まるで時が止まったかのような感覚に。
この石室を、どうやって古代の人たちは造ったのだろう。
何を思い、何を願ってこの地に眠らせたのか。
山里の風に吹かれながら、遥か昔の人々の息吹が、今もどこかに残っているように感じられました。
石舞台古墳の見学を終えたあと、古墳のすぐ近くにあるレストラン「ポカフレール」でランチをいただきました。
注文したのは、古代米を使ったカレー。黒紫色のごはんに、地元の野菜が付け合わされたカレーは、やさしくも深い味わいで、心も体もほっと温まるひと皿でした。
食後には、温かいまま提供されたガトーショコラとコーヒーを。
とろりとした口あたりの濃厚なチョコレートケーキと、香り高いコーヒーの相性は抜群で、旅のひとときをやさしく締めくくってくれました。
古代の風景を眺めながらのランチは、まるで時の流れが緩やかになったような、贅沢な時間でした。



キトラ古墳にも足を運びました
四神の壁画や星の図に触れるたび、古代の人たちの「空へのまなざし」や「死後の世界への想い」が、静かに語りかけてくるようでした。
小さな古墳の中に宿る、緻密で神秘的な世界。


華やかさではなく、静けさに寄り添う旅。
この春、奈良の飛鳥で過ごした時間は、日常のあわただしさをふっと忘れさせてくれる、心に残るひとときとなりました。
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